市場予測でとくに注目しなくてはならないのは中国だ。すでに数社がE-Readerを販売しており、E-Bookの数も100万冊を超えている。中国政府、通信企業も戦略的に力を入れており、世界最大のE-Reader保有国になったとしても何の不思議もない。紙の供給という資源制約があり、情報ニーズに対して印刷本が追いつかないためだ。教科書の電子化もかなり急速に進むだろう。だから中国を無視しては世界市場予測が成り立たない。2014年に2,500万台といった数字も、明らかに中国をカウントしていないので1年以内に無意味になるだろう。中国だけで5年後に3,000万台。新聞や教科書、公文書などは原則電子化ということになっても不思議ではない。
もちろん、中国ではE-Bookが主にPCが使われる可能性もなくはないが、筆者はむしろ専用モバイル端末としてのE-Readerのメリットを政府として評価しないはずはない、とみている。つまり、(1) 製造業のバリューチェーンの形成という産業政策的意味、(2) 省電力という資源・エネルギー政策的意味、(3) 出版物管理という文化政策的意味からみて、専用端末に分があるからだ。台湾政府もE-Reader関連メーカーへの支援を行っているが、産業的な意味だけでなく、文化的影響力を警戒してのことかもしれない。