また濱野氏は、ドイツの文化社会学者ヴァルター・ベンヤミンが1930年代に著した「複製技術時代の芸術作品」の言葉を引用。芸術作品は“いま・ここでしか見られない”という「1回制」によって「アウラ(オーラ)」を宿すが、レコードやフィルムなどに大量複写されてしまうとその希少性が失われ、「アウラ」も喪失してしまうという考えだ。
対してニコニコ動画は、映像形式の芸術作品を単にコピーして配信するのではなく、その作品を楽しむための場、コンサート会場などに足を運ばなければ得ることのできない“環境”そのものを字幕などの形で擬似的に提供できていると指摘。「1回制」を超越した独特のサービスゆえに「ニコニコ動画は21世紀のメディア史にかならず残るはず」と論じると、客席からは拍手が起こった。